コラボ特別インタビュー企画 大阪府立東住吉高校 芸能文化科

第62回 TOYOコレクション 2022.10.29(土)
大阪府立東住吉高校 芸能文化科の生徒様に賛助出演をいただいて

女優を目指す 荒戸さん、めざすは歌舞伎役者と言い切る岩本さん
DTMで踊る日舞の舞台はランウェイ

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本学は大阪で唯一のきもの専門学校として、日本文化の素晴らしさ、きものの良さ、を多くの方々に発信したく今回、「雲外蒼天」をテーマにいたしました。

当校は今年度、「新たな創造の世界」を模索する中で全国唯一の芸能文化科を有する大阪府立東住吉高校の生徒様お二人に賛助出演をお願いいたしました。選択科目として古典芸能の「日舞」学ぶ荒戸さん、狂言をメインに学ぶ岩本さんは舞台芸術全般を総合的に学びながら、幅広い視野を持ってあらゆる芸能文化に、取り組まれています。

それは、提供された、楽曲が最新音楽のDTMであったこと。初めて取り組むこの楽曲を岩本さんは1日で振り付けを完成され、お二人は5日間の練習でこの本番に挑まれたそうです。幼少時から日舞に取り組まれてきた岩本さんと、高校で初めて日舞の科目を選択した相方の荒戸さんの果敢な挑戦に岩本さんは心を動かされ、日舞の極意を守りつつ、新しい舞を創りだそうと思ったそうです。
 


 

 
 
Q.このコラボレーションの依頼が来た時の最初の気持ちは?

【 岩本さん 】
え…今迄、やったことがないけど、僕でいいのかな?と思いました。

【 荒戸さん 】
日舞は高校に入学してから始めたので、不安でしたが新しいことへの挑戦はしたいと思いました。
 
 
Q.芸能文化科ではどんな勉強をしているですか?

【 岩本さん 】
高校の通常科目の学習と舞台芸術の3つの領域(演劇、映像、伝統芸能)を総合的に学ぶなかで、私達二人は「伝統芸能」に重点を置いて科目を選択しています。
 
 
Q.今回のきもの校とのコラボレーションについて思うところはありますか?

【 岩本さん 】
古典芸能と言うと古くさいイメージを持たれますが、古典とは長く時代を越えて規範となるものだと理解しているので、その点で、きもの校とは共通するものを感じています。

【 荒戸さん 】
今回、きれいな振袖を着させていただき、正直感激しています。ショーに出てくる多彩な、きものを見てすごくおしゃれで、高校生も着る人が増えれば楽しいと思います。日本の民族衣装としてきものは大切にしていくべきだと思いました。
 
 
Q.提供楽曲のDTMで日舞を踊るにあたり、苦慮したことは?

【 岩本さん 】
長唄、三味線、鼓で舞う日舞をDTMで、振り付けするのは初めてでしたが、逆に次々と創作意欲が湧いてきて1日で完成しました。通常、日舞は板張りで踊りますが、絨毯敷きでその上、前に突き出たランウェイの舞台では、大胆な振り付けが必要でした。
 
 
Q.全国の高校で唯一の「芸能文化科」のある御校での高校生活は?

【 岩本さん 】
芸能、芸術を学ぶ環境、設備は抜群なので、充実した毎日です。またクラスの仲間も将来の進む方向はさまざまですが、みんな目的がはっきりしているので、チームワークは抜群。自慢の学校で充実した毎日です。

【 荒戸さん 】
私は将来女優を目指しています。演劇、演出、脚本だけでなく映像放送の領域の照明、音声等の勉強もできるので、夢を大きく持てます。
 
 
Q.今日のこの経験はお二人にとって如何だったでしょうか?

【 岩本さん 】
こんな経験は中々できないと思うので、すごく良い経験をさせていただいて、楽しかったです。

【 荒戸さん 】
あっと言う間に終わり、思いっきり踊れて、楽しい舞台でした。
 


 
4分間弱の舞台、僅か5日間でここまで、仕上げてくれた高校生のお二人に目を見張りました。
将来プロを目指すと断言したとおり、華やかさの中に緊張感を持った、新しい日舞を披露していただきました。
学校が掲げる、学習と自主活動の「二兎を獲る!」のとおり、「志しを高く抱いて社会に貢献する人材の育成」の体現そのもの。DTMの音楽の随所に日舞の所作をきっちり詰めた振り付けは観客の目を釘付けにしたに違いありません。
 
 
「きもの」のショー 袖振り合うも、他生の縁か? 一期一会
 
舞台が暗転、暫しの静寂 初めて聞く楽曲のDTMが流れ、次の瞬間、横から踊り手が登場。
ぱっと舞台が華やいだ。私の知る日舞ではない。数分前に初めて踏んだという言う舞台の心配など、大きなお世話だ。今日、これをこの観客に見て貰うだという二人の意識の高さに震えた。
DTMの音源に、笛、太鼓、鼓、三味線、等の効果音が随所に入り、そのポイントに日舞の形をきっちり詰めた振り付けには面白さがあった。
久しく、「感動」に疎遠であった私は、今、目の前のプロを目指す高校生のずっと先に待つ処、その世界に立った姿をどうしても見たいと思った。

インタビューを終えて Y・T

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